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2013年1月1日火曜日

UNDP所属の日本人・Aさん ソマリランドについて語る

Aさん・UNDP所属、ソマリランドで支援活動を行われている日本人男性。国際支援活動の道に携わって十数年のベテラン。
(現地のUNDP職員はゲートのあるホテルに滞在しなければならないと決められているそうで、アンバサダーホテルやマンスールホテルの一室を借り受けて住んでいる。EU職員も恐らく同じ。)

Q.ソマリランドとソマリアは境界線の紛争で揉めていますが、現在はどのような状況にあるのでしょうか?
A.ソマリランドもソマリアも遊牧民が多い国。遊牧民は外国人の考えるような近代的な国家という価値観を持っておらず、どうでも良いと考えているので、政府が無理やり境界線などを設けたり、外国人があれこれと横から口を出したりしてもトラブルの元になるだけ。正直、グレーのまま放っておいたほうがよいのではないかと思う。ちなみに、ソマリランド東部には外国人は宿泊できない規則になっている。

Q.日本の政府はソマリランドに退避勧告をしていますが、危険ですか
A.日本の政府の職員が視察にやって来ることが時々あるが、日本政府の立場としてはモガディシオの治安が回復して大使館を設置出来るようにならない限り、ソマリランドに対しても避難勧告を解除するつもりはないらしい。UNDPに金を落としても金の使い方が非効率的なのでJICAの事務所くらい置いたらどうだと日本政府に薦めているが、同じ理由で設置するつもりはないようである。つまり、当面設置される見込みはないということ。ただ、ソマリランド内部から状況を観察する限り、安全であると断言することはできない。

Q.最近はソマリア連邦政府が成立しましたが、今後の見込みはどうでしょうか
A.内戦後にソマリランドの氏族間で和平を達成するのだけでも10年間を要したのに、南部ソマリアの中では全く氏族の和解は終わっていないし、これから何年掛かるかも分からない。スタートラインに立ったか立たないかに過ぎない状態。
今、ソマリア連邦政府には大統領がとりあえずいることはいるが、それは名前だけの大統領みたいなもので、何の権限も無いに等しい状態。これからリーダーシップを発揮できるかと言われると非常に疑わしいし、外国の軍隊が撤退し、大統領が一人になった後、「みんなが嫌がること」を大統領が始めた時に、彼に従うものがいるかどうか非常に怪しい。

Q.ここにはソマリランド政府があり、国としての体裁もあるように見えますが
A.ソマリランドの政府もかなり適当で、政府の中できちんと働いている職員というのは100人程度ではないだろうか。どう見ても働いてないような連中もたくさんいる。税金の徴収などもきちんと行われているわけではないし、何かトラブルなどが発生した時政府が統制できるかどうかはかなり怪しい。従っていつも避難ルートなどは頭に入れている。
なお、ソマリランドの国家予算の90%くらいは人件費に使われているようだ。インフラ整備などに使われているのは10%足らずで、これは明らかに全然足りてない異常な状態である。

Q.ソマリアの氏族とはどんなものなのでしょうか
A.ソマリランドの氏族は一種の保険機構のような存在。何かトラブルがあると、バックに付いている氏族が出て来て、問題の裁定を下してくれる、保険会社の代わりを担っている重要な存在。しかし、トラブルや犯罪が個人間の問題に留まらないという事も意味するので、後から後から関係ない人がどんどん出てきてかえってトラブルが大きくなったりする。ちなみに、例えば南部ソマリアの人がソマリランドで事故にあったとしても、氏族が違うので誰も助けてくれない。

Q.ソマリ人の氏族社会というのは難しいですね
A.とはいえ、南スーダンに比べると、まだソマリアのほうが状況は良いと感じる。特に南スーダンとスーダンは国内すら纏まっていないため、互いに敵対し合わないと国内を抑えられないという惨状にある。研究対象としては面白いが、現実として見せつけられると暗澹とした気持ちになる。未来は暗いだろう。

Q.ソマリランド人に聞くと南部ソマリアの評判はえらく悪いですね
A.ソマリランド人はソマリア人に対しては、民族も同じで言語も同じなので個人的な付き合いには特に問題ないだろう。ハルゲイサ大学にも南部ソマリア出身の人がいる。ただし、バーレ大統領のバックに付いていた氏族が、戦争中にソマリランド側の氏族に与えた被害に対して何ら補償を行なっていないので、ソマリランド側はバーレ大統領のバックについている氏族に対して補償を求めているし、今後も補償を求め続けると思われる。この補償問題が解決しない限り、ソマリアとソマリランドの対立は続くだろう。逆にソマリランド側氏族に何らかの補償が成されれば、ソマリアの一部として残るという可能性もあるかもしれないし、ないかもしれない。未知数。

Q.ソマリランド人はソマリア連邦政府についてどう思っているのでしょうか
A.ソマリランド人は、連邦政府がどうこうというより、大統領のバックに付いている氏族が何であるか、バーレ大統領とどういう関係にあるかのほうに興味があるだろう。

Q.ベルベラ・ハルゲイサ間の移動などについて教えて下さい
A.ハルゲイサのエチオピア航空の事務所でチケットを買えば、無料でマイクロバスでベルベラまで送迎していってくれるはずだ。チケット代にバス代が含まれている。タクシー・護衛付きで移動する場合、110ドルなら良心的な価格だろう。

Q.オススメのスポットについて教えてください。
A.ベルベラのビーチに行くとよいだろう。綺麗なビーチを貸切状態で楽しめること請け合いだ。

2012年11月15日木曜日

ミスターY かく語りき

ミスターY:
神奈川出身。チェンマイ・チェンダオの日僑経済界のフィクサー。現在は自動車関係?の職業に着かれている様子。ミャンマーにも詳しい。ドイツ語を話す。
(私は北タイ・ミャンマー情勢には詳しくなく、しかも酒の席での雑談なので、とりとめがなくまったく詳細に欠けますがご了承ください。所々間違えているかもしれませんし、参考程度です)

於:チェンダオ某所

Q.東南アジアに日本企業が進出しているようですね
A.タイにも色々日本企業が来ているが、日本企業がなぜ東南アジアに来るかわかるかね。人件費が安いのも1つだが、法律の規制が緩いので廃水などを垂れ流しに出来るからだ。現地に住んでいる者からすればとんでもない話だ。倫理が破綻している。そんなことをしていたらいずれ堕落するよ。

Q.北タイはどうなのですか
A.北タイは今アツい。アジアハイウェイをここから北のチェンコンあたりに建設する計画が進んでいる。なぜ道路を作るかというと、マレーシアを迂回して海路で荷物を運ぶよりずっと安いからだ。中国や日本が進出してきている。北タイ人も賢い。何をしたかというと、道路が出来る前からさっそく穀物の集積倉庫や、パルプの工場を建てた。こういうのはハズレがない。今は地価も上がってきて、土地などとても買えなくなってしまって失敗だった。

Q.最近はミャンマーが注目されていますが
A.私に言わせれば何故あれほどミャンマーが熱いのかわからない。ミャンマーは今もてはやされているが、西部のアラカン(ラカイン)州あたりでは軍がイスラム教徒を殺していて、また何が起きるかわからない。何かが起きた時、日本企業が対応できるかという話だ。先の地震の時も日本人は準備をしなかったので、うろたえて対応できなかった。私もドイツ人に、なぜ日本は原発事故の対応が遅いのかと言われた。そういうことだ。

Q.ミャンマーとタイは貿易が盛んなのですか
A.盛んだが、ミャンマーは不安定だ。最近ではメーソートというところの国境が閉まっている。なぜかというと、ミャンマー側の警察と軍が通行税の取り立てで内輪もめをしていて話が纏まっていないからだ。それで北タイ側のルートが注目されている。

Q.中国と日本が揉めていますが日本企業は東南アジアに移転してきていますか
A.私としてはもう少し揉めてくれたほうが面白いがね。それにしても日本という国はおとなしすぎる。あんなんでは国際社会で戦っていけない。

ミスターYについてS氏、U氏のコメント
S氏「ところでUさん、最近Yさんは何されてるんですか。バイクの在庫が800台くらいお持ちなんですよね?」
U氏「さぁなァ、いっつも聞いてんだけどよォ、よく分かんねぇんだよなァ!」

(このインタビューは無許可掲載ですが、特に特定個人に重大な影響を及ぼす内容ではないと思いましたので掲載しました。問題があればご一報ください)
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